水道工事

「じゃ君は私どものところへいらっしゃるんですか?」と、彼は見えもへったくれもなく露骨に本題へはいりながら、舌ったるい声を出した。「そうくるだろうと思ってましたぜ!あんたという人は相変らずですなあ!」と斉藤は噴きだした、「一体あんたは」とお客の肩をもう一度ぽんと叩いて、「本当にあんたは、私が実際に君がたのところへ泊りに行く、おまけに一と月も泊りに行くなんてことを、よしんば一瞬のあいだでも大まじめに考えたんですかい——はっ、はっ!」中村は総身をぶるぶるとふるわした。「じゃ君は——いらっしゃらないんですね?」と彼は、喜びの色をまるだしにして水道工事を上げた。「行きゃしませんよ、行くもんですかね!」と、斉藤は得意の笑声を立てた。とはいえ彼は、なんで我がこんなにつまりたいのか、われながら合点がいかなかった。しかしまた、時の進むにつれて彼はますますおかしくて堪らなくなった。「本当ですか……本当ですか、君は本気でそう仰しゃるんですか?」そう言ってしまうと中村は、お客の返事がさももどかしいといった焦り焦りした様子で、やにわに腰を浮かせた。「今も言ったじゃありませんか、行かないってね。——あんたはなんておかしな人だろう!」「弱ったなあ……もしそうだとすると、もう一月して、君はいらっしゃらない、おりんぴあーだせみょーのう゛なは待っている、ということになったら、私は彼女になんと言ったもんでしょうなあ?」「なんでもないじゃありませんか!私が足を挫いたとかなんとか言って置きゃいいですよ。」